まるで忍者のようでした。
私は、所属している団体の被災地支援(ボランティア)の一環として仮設住宅に暮らす子どもたちと遊ぶことがあるのですが、こないだは某所にお邪魔しました。
集会所でじーっと待っていても子どもたちは来ません。
なので子どもたちを探しに敷地内をウロウロしていると(事前に許可を取り、名札をつけて不審者でないことをしっかりアピールしたうえで)、ガラスの割れた廃屋の中から騒ぐ声が聞こえてきたのです。
のぞいてみると、そこは廃校になった学校の倉庫らしく、埃だらけの薄暗い空間で鬼ごっこをしているのでした。
積み重なった体育館用マット、跳び箱、フラフープ、平均台などが完備され、子どもにとってはパラダイスです。
「おっさんも混ぜておくれよ」というと、7人のギャングたちは警戒しつつも受け入れてくれました。
仕事柄普段は抑えている子ども心を全面的に解放していると、彼らも次第に心を許してくれるようになり、たまたまピンクのシャツを来ていたので、「ピンクのおっさん」というあだ名をつけていただきました。
(指にはめてる指輪をみて、「このおっさん結婚してるぞ」「えー、こんなおっさんと結婚する人がいるわけない」、「いや、家では案外普通なんだよ」などあれこれ分析されたのが印象的でした)
さて、私は体力にはそれなりに自信があったのですが、逃げる相手を追っかけてマットを飛び越えたり、回転してそこを転げ落ちたり、跳び箱を越えまくったりという動きには、普段の自分ひとりでのトレーニングごときでは全く役に立たず、ことあるごとに鬼にされてしまいました。
一瞬で汗だくになり、「シャツが冷たいぞピンク!」とののしられ、フラフープができないことをさんざん馬鹿にされつつも(みんなとても上手なのです)、我先にとおんぶをせがんでくる彼らはやっぱり子どもなんだなぁと感じました(お互いびしょびしょ、埃まみれなんですが)。
鬼ごっこ以外にも、かくれんぼ、相撲、カルタなど古典的な遊びをしつつ、あっという間に時間が過ぎていきました。
別れはちょっぴり切なかったですが、彼らはすぐにギャングをなして、鬼ごっこのニューゲームをはじめていたのでした。
被災地支援という名目でありながらも、まるで遊んでもらっているかのようでした。
(大学でよくある「子どもと遊ぶサークル」は、実情「子どもに遊んでもらうサークル」であるのと似ていますね)
また近いうちに行きますが、たけのこのように成長の早い彼らは、その頃は心身ともにぐっと成長しているのでしょう。(同じように遊んでもらえるかな)
次行くときまでには、トレーニングを全面的に見直していきたいと思います。
なお、その夜は泥のように眠り、翌朝は鉛のように身体が重かったことを付記しておきます。
めざせ、忍者。
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